凍害でボロボロの日本瓦の屋根をカラーベストに葺き替え
2022.07.05 (Tue)
K様邸 施工データ
工事内容 | 葺き替え工事 |
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お客様のご要望
今回は日本瓦のかけらが落ちて困っておられるK様邸の屋根をカラーベストに葺き替え工事させていただきました。
担当者より
日本瓦のかけらが落ちてくる一番の原因は凍害による割れ
日本瓦が欠け落ちる一番の原因は凍害です。
字の通り凍ることによる弊害ですが、瓦自体が凍るわけではありません。
降雨や結露により瓦の表面の小さな隙間からしみ込んだ水が、瓦の中で凍り膨張するため瓦が内部から割れてしまうのです。
凍害が進行しやすくなる原因として考えられるのは、瓦の焼きのムラや乾燥のムラです。一目ではわかりませんがこういった原因で瓦が劣化しやすくなり、割れ欠けてしまいます。
K様邸の屋根では全体的に瓦が割れ欠けてボロボロになり、雨どいにも破片がたまっている状態でした。
もしかすると既存の瓦の多くが不良品だった可能性もあります。
焼きムラがある部分からの浸水や、乾ききらず残った水分により凍害が起こりやすくなっていたと思われます。
K様邸の日本瓦の屋根の問題点
問題点その1:雨仕舞が不十分だった
建物裏手の屋根と壁の取り合い部の水切り付近の瓦がずれており、劣化が進んでいたので水切りの交換をご提案いたしました。
このように屋根と壁が鋭角に交わり、水が集まりやすい取り合い部には、捨て谷を入れます。
捨て谷とは外からは見えない屋根の内部に水が入り込んだ際に、それらを集め、外に流す樋です。
今回も捨て谷を入れた後水切りを取り付けました。
他にも建物正面の壁と下屋の取り合い部の雨仕舞も不十分でしたので新たに水切りを取り付けることになりました。
このように瓦に水が入りやすい状態ですと、凍害も起こりやすくなるので注意が必要です。
新しい水切りは1~2時間で作成いたしました。
問題点その2:野地板が薄くて穴が開いていた
既存の野地板は薄く、劣化しており部分的に穴が開いていました。
作業中は足元に注意し、物を落としたり穴を広げたりしないよう気を付けながら作業を行ないました。
今回雨漏りはなかったようですが、瓦や野地板の劣化状況からみて、屋根の中に水が入っていた可能性があります。
日本瓦をカラーベストに葺き替える工程
①既存の日本瓦と水切りの撤去
②2寸×1寸角と1寸3部角の角材の取り付け
③コンパネの取り付け
④ルーフィングシートの取り付け
⑤カラーベスト(コロニアルクアッド)の設置
⑥水切りの取り付け
土埃をあまり出さないように気を付けて作業をさせていただきました。
仕上がりをお写真で確認していただいたところ、K様は「綺麗になったなあ!」と言って喜んでおられました。
屋根に水が入ると日本瓦の凍害が起こりやすいので注意
瓦の凍害は、寒暖差による結露や浸透した雨水が乾かないまま瓦の内部で凍ることによって起きます。
今回のように、質の悪い瓦を使用されていた場合、一度にたくさんの瓦が割れてしまうこともあります。
水分は大気中にも含まれており、完全な防水は難しいかもしれませんが、雨風による浸水は取り合い部に水切りを取り付けるなど雨仕舞や防水処理をきっちりと行うことで、ある程度は防ぐことができます。
屋根の中に水が入ってしまうと日本瓦の劣化が早まりますし、日本瓦でなくても、屋根の下地材の劣化を誘発し、建物自体への雨漏りの原因になります。
そうなる前に、屋根工事を行うことがおすすめです。
屋根の瓦の状態が気になる場合、浸水状態が気になる場合、ぜひ一度調査をご依頼ください。